osCommerceは、高機能なオンラインショップを構築できるオープンソースのソフトウェアです。
osCommerce.comを拠点として国際的なオープンソース・コミュニティによって開発が進められていて、(1)すでに十数ヶ国語に翻訳され、世界中で1000サイト以上が稼動しています。日本語へのローカライズと日本独自の支払い方法や配送手段への対応についても、osCommerce日本語化プロジェクト(http://sourceforge.jp/projects/tep-j/)によって作業が進められています。
osCommerceは、オンラインショップに必要な機能がパッケージ化されているので、短期間・低コストでショップを構築して業務を開始することができます。また、特別なコンピュータの知識がなくても、最小限の労力でショップの運営・管理ができます。
osCommerceには、次のような特徴があります。
osCommerceは、利用者に分かりやすく、安心して買物のできる、賑わいのあるショップを目指しています。
分かりやすい商品の購入手続きや支払い方法は、オンラインショップの重要な要素です。ショップの利用者は、商品の購入を一度決定しても、手続きが分かりにくかったり、ショップの対応に不安を感じると、購入せずにそのサイトを去ってしまいます。
利用者は、気に入った商品を「ショッピングカート」に入れて買物をします。実際に「レジ」で商品の購入手続きをするときには、ログインを促されます。ここでE-Mailアドレスやパスワードを入力してログインし、その後は購入手続きが進行します。
つまり、ログインの前後で一貫してショッピングカート機能が働くので、利用者はログインを意識することなく何気なく商品を選ぶことから始めて、買い物を楽しむことができます。
ショップの利用者は、商品を購入するときにE-Mailアドレスや住所、氏名を登録すれば、次回からは、同じ情報を再度入力する必要はありません。
ログイン画面では、E-Mailアドレスとパスワードを入力してログインします。このログイン情報は利用者のパソコンに保存することができますので、2度目にはパスワードを入力する必要もありません。もしパスワードを忘れた場合には、E-Mailアドレスを入力して、新しいパスワードを自動的に再発行する機能があります。
利用者はショップの会員として管理され、次のようなサービスが提供されます。
利用者が安心して迷いなく買い物をすることができるように、次のような機能を提供しています。
オンラインショップの利用者がショップに対して求める水準は、どんどん高くなっています。例えば、ショップの品ぞろえの豊富さと商品選びの容易さは、どちらも重要でしかも相反するものです。このような基本的な機能を満たしているかどうかが、コンバージョン率(サイト来訪者に占める購買者比率)を左右します。
次のようなポイントが操作性の目安になります。
osCommerceは、「商品分類が細かく、きちんと整理されていて、検索も使いやすい」ショップを実現します。
利用者は、自分の興味のある商品カテゴリーを選んで、その中の商品を見て買い物をします。商品カテゴリーは、必要に応じていくつでも用意することができますし、カテゴリーの中にさらにカテゴリーを設けて商品を整理することもできます。
一方、利用者にメーカーが分かっている場合には、メーカー名のリストの中から選択して、そのメーカーの商品を一覧表示させることもできます。
そういった商品リストの中の商品名や商品画像をクリックすると、その商品の詳細説明が表示されます。各商品の詳細説明は、HTMLや画像を利用して表現力豊かなものにして利用者にアピールすることができます。
すばやく目的の商品を見つけることができる強力な検索機能を搭載しています。
商品名などを入力して検索したり、商品カテゴリー、メーカー、商品登録日、価格の範囲などを指定して検索することができます。
オンラインショップは、利用者にとっては、あらかじめ予定していた商品だけを購入する場所ではありません。商品知識を得たり、自分に合った商品の提案をしてもらったり、意外なものに出会ったりといった、さまざまな体験の場であってほしいはずです。
osCommerceで構築したショップには、利用者に多くの商品に触れてもらう仕組みが用意されています。
これらの商品の画像やリストは、商品情報にリンクしています。いろいろな場面で、利用者が予期していなかった多くの商品情報に出会う楽しいショップが実現できます。
また、商品の詳細情報ページを開くと、「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」のコーナーで、その商品を過去に購入した人があわせて購入した商品が表示されます。これは、関連商品の提案という性格の情報になります。利用者自身にも有益な情報と感じてもらえるはずですし、利用者の潜在的なニーズを掘り起こして、客単価のアップが期待できます。
「カスタマーレビュー」とは、利用者による商品の評価記事です。商品を購入した利用者が、その商品の評価記事を投稿して、別の利用者がそれを参考にすることができます。
単に売る側があたえるだけの商品情報ではなく、利用者の視点でとらえた商品情報を利用者が生み出す場となります。これは、Webならではの貴重な情報源になります。
osCommerceで構築したショップでは、Webブラウザを利用してさまざまな管理機能を操作することができます。
商品については、次のように管理します。
注文と顧客の情報は、次のように管理します。
ここで管理している情報は、すべてデータベースに格納されています。これらのデータをダウンロードしてバックアップをとることができます。
商品と顧客の統計を表示して、マーケティング活動の参考にすることができます。
また、利用者のアカウント情報は、購買まで結びついていなくてもデータベースに記録されますから、電子メールによるプロモーションなどに利用することができます。
最近のオンラインショップの販売実績の1/2は、ショップからの電子メールを介してのものだといわれているように、電子メール配信は、マーケティングの重要なツールとなっています。
osCommerceは、次のような電子メール配信機能をサポートしています。
次のようなバナー管理機能をサポートしています。
osCommerceで構築したショップでは、利用者が必要に応じて言語や通貨を切り替えて買物をすることができます。
画像、音楽、ソフトウェアなどのデジタル・データをダウンロードによって販売することができます。利用者にパッケージ販売とダウンロード販売を選択してもらうことも可能です。
ショップでは、販売するデータ・ファイルを準備して、ダウンロードできる有効期限や回数制限などを指定できます。
利用者は、購入手続きが終わると、ページに表示されるファイルをクリックして、直接ダウンロードして入手することになります。
osCommerceについての情報源としては、以下のようなものがあります。
osCommerceの日本語サポート・ドキュメントを公開しています。
メーリングリストへの参加案内。過去のメーリングリストへの投稿を検索することもできます。
実際にosCommerceで運用しているショップのリストが公開されています。
また、osCommerceを用いてデザインをカスタマイズしたショップの事例には、次のようなものがあります。